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口頭試験対策

平成18年の口頭試験は不合格でしたが,それなりの対策はしました。結果論的には不十分,もしくは的を外していたところがあったのでしょうが,自分なりの虎の巻を,以下に示します。これは機械の方の合格記を引用(小文字)させていただいていますので,機械工学は電気電子工学に読み替えないといけません。

学習内容および確認内容として必要な項目。
1.受験動機
2.自身の経歴説明
3.業績論文要約説明
4.機械工学専門用語説明
5.技術士の定義
6.技術士の3大義務・2大責務とその具体例
7.技術士CPDとその意義
8.技術士取得後の抱負

上記8項目は、口頭試験で問われる可能性が非常に高い内容。
中でも最重要項目は、1.受験動機  2、3.自身の経歴業績論文要約説明。

1.受験動機 に関する注意事項

 受験動機で決して言ってはいけないことは、 「自己啓発」の4文字。
技術士は自己啓発のために取得するものではありません。「自己啓発のためです。」と言った瞬間に不合格となる場合があるため、十分注意を。

受験動機は、個々の立場や考え方によって異なるため、自分自身で考え、簡潔にまとめ上げ、暗記。1分以上はくどくなるので、必ず1分以内で要約。

JABEEの申請に当たり、企業出身者は受けなさいと言われた。
JABEEコース(一次試験免除)で教えていて、資格を持たないのもどうかと思った。

・技術者倫理といった、教育面での実際的効果。博士と相補的な資格。
・地域貢献:地域企業などへの技術相談。ひいては学校組織への貢献。
・実践技術を認めてもらい、将来技術プロとしてコンサルタントとして自立。

2、3.自身の経歴

業績論文要約説明 に関する注意事項

 自身の経歴

業績論文は以下の3種類のバージョンでまとめ上げ、暗記。

 ① スピーチ1分要約バージョン
 ② スピーチ3分要約バージョン
 ③ スピーチ5分要約バージョン

②の3分バージョンが普通だが、1分以内あるいは5分以内といってくる場合も想定される。
注意事項として、受験申込書や筆記試験で記載した内容とかけ離れた、あるいは書いていない内容を説明すると不合格になる場合あり。特に数字は間違えないように説明することが大切。また、話す内容は系統立って話すと聞き手に分かりやすい。試験官はあなたの論文を手元に置いて、説明内容をひとつひとつチェックする。

薄膜インダクティブ磁気ヘッドの開発

プロジェクトメンバーとして、10名ほどの中で主に評価・設計を担当(2名)。数十回の試作を繰り返し、細かな改善。比較的まとまった成果として、特許・論文等にまとめた内容。

・解析法。当時は3次元磁界解析が主流ではなかった。断面の深さを入れ、2次元磁界解析の精度向上。94年国内の国際会議で発表。磁区構造の解析とあわせて、コア形状の設計。

・磁極長効果の低減法。薄膜で磁極が形成されるインダクティブ・磁気ヘッドの宿命的な擬似パルス信号の低減。低透磁率膜の作製し、中間膜として挿入。

94年米国のコンファレンスで発表。磁気ヘッドの開発における交換磁気異方性現象の研究

・プロジェクトメンバーとして、交換磁気異方性膜の開発に従事。交換磁気異方性膜(交換バイアス)それなりに作れば出来た。米国大手メーカーの技術を踏襲。なぜその材料系が良いのか、更に性能改善するにはどうするのか?課題は無いのか?よく解らない。現象は50年代末に発見されていたが、発生メカニズムがはっきりせず、それを探るのが重要(先決)と考えた。

・定量性が無いので、数値計算しようと考え、磁性の専門家と共同研究。やってみると、実は定性的にも正しくは理解されていなかった。数年のブランクを経て米国の大学での研究で一定の成果を得た。従来、界面の相互作用を弱めたり、複雑な相互作用を考慮したり。ひとつのアイデアに到達。反強磁性体層の中に相互作用の弱い層が存在すれば様々な課題が一挙に解決することが判明。J. Appl. Phys.,MMMなど2・3の論文で発表。

4.機械工学専門用語説明

一般論文で記載した内容あるいは選択しなかった内容も含めて必ずチェック。また、自身で機械工学の基礎的な事項を挙げ、説明できるように。

5.技術士の定義

「技術士」とは,技術士の登録を受け,技術士の名称を用いて,科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画,研究,設計,分析,試験,評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう。

6.技術士の3大義務・2大責務とその具体例

問われる可能性が非常に高く、確実に覚える。

3大義務
 ・信用失墜行為の禁止         (第44条)
 ・技術士等の秘密保持義務      (第45条)
 ・技術士等の名称表示の場合の義務 (第46条)
2大責務
 ・技術士等の公益確保の責務     (第45条の2)
 ・技術士の資質向上の責務       (第47条)

 上記の内容に併せて、具体的な事例を含めてまとめておくとよい。最近、世間で話題になっている記事を踏まえてまとめておく。また、自身の業務に照らし合わせた内容をまとめておくことも必要。

7.技術士CPDとその意義

 この内容は、技術士の責務である資質向上の責務と深い関係あり。なぜこれが必要なのかを説明できるように。また、現在自分がCPDとして実施していることとしてどのようなことがあるか?あるいは今後、CPDとしてどのようなことを実施するか?などを答えられるようにしておくとよい。

学会・講演会への参加・発表 話し方、解りやすい説明

8.技術士取得後の抱負

試験官に技術士取得後、何をしたいのかを十分アピールしてください。この内容は、受験動機の内容を繋がっている必要があります。


企業との技術相談、共同研究。教員として(は教育者とみられることも多い)。技術士として(はより緊密にプロとしての関係が得られる)と思う。


引用させていただいた(機械部門での)質問内容は,大変的を射たものでした。電気電子部門でも何ら変わるものではありませんでした。それに対する私自身の対応が甘かったといわざるを得ません。「技術士とは〜」の法律の文言の記憶はもちろん,守秘義務などの具体例は入っていませんでした。技術相談などの際,これはきわめて重要なはずです。

技術士は,「高等」の専門的応用能力が必要であり,守秘義務などが法律できっちり規定されている非常に義務の厳しい資格であること,それを十分わきまえた上で試験に臨んでいるということを試験官にしっかりと印象づけなくてはならなかったのだと思いました。

現在では,経験論文が後出しになっていますが,当時は筆記試験時に書く制度でした。口頭試験時間も30分と短く,あらかた合格した様な積もりになっていたのが敗因だったと思います。
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